主宰者が語るオキコネのはじまりと今。大切にしている想いとこれからの展望とは?
更新日:7 日前

沖縄のスモールビジネスオーナーやフリーランスが集まる異業種コミュニティ「オキコネ」では、毎月複数の交流会を開催しています。参加をきっかけに、新しい仕事や次の行動につながった方も少なくありません。
しかし、参加してみようかなと思っても、どんな人が主宰している場なのかがわからないままでは、一歩を踏み出しにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、オキコネを主宰する砂川 陽輝(すなかわ たかき)さんに、オキコネ立ち上げの経緯から大切にしている価値観、参加を迷っている方へのメッセージまでうかがいました。
「言葉を使う仕事がしたい」からたどり着いた集客プロデューサー

まず、砂川さんのお仕事内容について教えてください。
僕は普段、集客プロデューサーという仕事をしています。集客プロデューサーとは、コンセプトや商品の設計から集客、販売していくための仕組みまでを一気通貫でつくる仕事のことです。
主に「コンテンツホルダー」と呼ばれる無形のサービスを扱う方がクライアントとなります。2022年頃から今の仕事をしていて、オキコネの交流会イベントは2025年にスタートしました。
以前はどのようなお仕事をされていたのでしょうか?
今の仕事を始める前は、製薬会社のコールセンターで働いていました。当時はお金に触れることも、お客さんと顔を合わせることも、商品が販売される現場に関わることもない環境にいましたね。
ただ、会社の方針としてコールセンターを縮小することになり、僕もリストラの対象になりました。キャリアを見直すなかで思い出したのが、もともと学校の先生になりたかったことです。掘り下げてみると、自分は言葉を使うことと誰かの成長に関わること、その両方が好きなんだと気づきました。
そんなときに再就職の支援を受けるなかで、マーケティングの講座と出会いました。言葉で人に伝えてその反応を確かめながら、クライアントの事業が伸びていく過程に関わる仕事だと知り、自分の好きなことがそのまま重なると感じたんです。
その後は、商品の設計から申し込みまでの流れを引き受けるようになり、今の集客プロデューサーという形に行き着いています。
漫画・アニメ・ゲームが土台になっている仕事の考え方

プライベートで、好きなことや趣味があれば教えてください。
漫画やアニメ、ゲームが好きですね。アニメは、毎シーズンチェックしている作品があります。 実は、漫画やアニメ、ゲームが好きな人はみんな集客プロデューサーをやればいいのに、と思っているんですよ。
漫画やアニメ、ゲームのどんなところが仕事につながるのでしょうか?
たとえば漫画やアニメの必殺技は、その技の本質をひとことに凝縮した言葉ですよね。子どもの頃からそうしたものに触れていると、物事を要約して人に伝わる形にする感覚が自然と身についていきます。
マーケティングでも新しい言葉をつくって反応を引くことがあるので、そこに直結していると感じています。
さらに漫画やアニメには、心に残る名言もたくさんありますよね。その言葉がなぜ自分に刺さったのかを掘り下げてみると、人の気持ちがどんなときに動くのかが見えてくるんです。
ゲームの場合は、この条件をクリアしたら次に進めるという分岐のイメージが、仕組みを設計する感覚に似ています。
要約する力も、仕組みを考える力も、人の気持ちを読む力も、集客プロデューサーには必要なものです。だからこそ、漫画やアニメ、ゲームが好きな人ほど、この仕事に向いていると思ってます。
参加者が集まらない飲み会が、オキコネになるまで
次に、オキコネを始めたきっかけを教えてください。
オキコネを始めたのは、ビジネスの話ができる仲間を自分でつくろうと思ったからです。会社員時代の知り合いはいたものの、起業してみると事業をしている人が身近に多くはいませんでした。
そんなとき、県外の起業家と飲みながら話していて、「人と出会いたいなら、飲み会をすればいいじゃん」と言われたんです。飲み会の幹事なら何度もやってきたので、それなら無理なく始められると思いました。
実際にイベントを企画してから、うまくいかなかった時期もあったのでしょうか?
2025年の1月から交流会イベントを始めましたが、最初は参加者が集まらない状況でしたね。
初めてのイベントでは参加者がゼロでしたので、一緒にオキコネの立ち上げをした現イベントスタッフの與那覇真生さん(※)と2人で飲んで帰ることになりました。
次の月も人が集まらず、県外から来ていた起業の先輩に声をかけて数人での飲み会に。それでも、次回の告知は毎月出すようにしていました。
※イベントスタッフの真生さんについては、以下のページで紹介しています。

流れが変わったのは、どのタイミングだったのでしょうか?
4回目にあたる交流会で、急に15人の参加者が集まったんです。想定外のことだったため、好きなものを食べてくださいと言っていたら赤字になりましたし、席替えも名刺交換の段取りも用意しておらず、かなり慌てました。
沖縄では異業種交流会を告知しているところ自体が少なく、あっても大体1回でやめてしまうんです。3、4回続けたことが大きかったのだと思っています。
その後は夜に開催する飲み会だけでなく、女性限定のランチ会、経営者の方々に自分の悩みを公開で相談する会など、新たな取り組みも始めました。
砂川さんが経営者の方々にオキコネについて相談した企画『えんたく・ゆんたくイベント』については、こちらで紹介しています。
そのほか、交流会のイベントレポートはこちらからご確認いただけます。
All for All とは?「人のためにやろう」は強いが「人のためだけにやろう」だと弱い
オキコネが大切にしている「All for All」とは、どういう考え方ですか?
「一人はみんなのために、みんなは一人のために」という精神をもとに、「みんながみんなのために動く」という考え方です。
一見『One for All, All for One』と同じ意味に見えますが、「個人→集団、集団→個人」のような矢印の切り替えすらやめて、一人ひとりが全員に目を向けたら早いんじゃないかと思うんです。
自分のことしか考えていない人は、当然好かれません。しかし僕は、他の人のことだけを考えていても、いつか自己犠牲になって「こんなにやっているのに誰も何もしてくれない」という気持ちが出て来てしまうと思っています。
だからこそ、「自分のためにもみんなのためにもやっている」という状態がいちばん健全だと思うんです。
世の中全体に向けてやろうとすると難しいですが、オキコネのように人数が限られたコミュニティの中なら実現できると考えています。

その考え方は、どこから生まれたのですか?
沖縄の方言の「まくとぅそーけー・なんくるないさ」という言葉がヒントになりました。一般的には”なんくるないさ”の部分だけが知られていますが、本来は「ちゃんと正しいことをしていれば、なんとかなるさ」という前文があると聞いたんです。
「ただなんとかなる」のではなく、「先にやるべきことをやっていればなんとかなる」という順番になっていますよね。そこが、先に利他を求めていれば結局は利己になる、という自分の考えと重なりました。
「人のためにやろう」は強いけれど、「人のためだけにやろう」は弱いんです。だからこそ、みんなで助け合う形がいちばんなのだと思います。
漫画の話に戻りますが、最終回とかで今までの敵も全部味方になって、全員で力を合わせて強大なラスボスと戦うようなのが、めっちゃ好きなんですよね。
沖縄でも、そういう仲間が集まって何か大きなことが出来たら良いなって、そんなイメージで常に動いています。シンプルだけど、そういうのってわくわくしません?
ひとりにはしないから、怖がらずにおいで。参加を迷っている方へのメッセージ

今後、オキコネをどんな場にしていきたいですか?
今後はオキコネに明確に仕事につながる場や、一人ひとりの実力を上げられる場を加えていきたいと考えています。
今は飲み会の延長であり、交流会イベントから仕事につながった方もいるのですが、それは僕が設計したものではありません。(そういう偶然が良かったりもするんですけどね)
ただ、参加する方全員が最初からそこまで求めているわけではないので、まずは一歩先に動いてくれる人を増やしたいと思っています。その人たちの姿を見て、次に続く方が出てくる流れをつくりたいんです。
1人で1000歩行くより、1000人で1歩歩くほうが面白いですし、その1歩が増えるほど沖縄全体が動いていくはずです。
参加を迷っている方に伝えたいことはありますか?
参加を迷う気持ちは、よくわかります。無理に来てくださいと言いたいわけではないので、何か行動したいと思ったときのきっかけにしてもらえれば、それで構いません。
また、売り込まれるのが不安だという方もいますが、オキコネでは「商品の売り込み・サービス提供は禁止」と事前にお伝えしています。まずは顔を合わせて話すくらいの会だと思ってもらえたら嬉しいです。
最後に、読者の方へメッセージをお願いします。
ビジネスの実績がない方にこそ、来ていただきたいと思っています。
僕はサラリーマン時代にいろいろな交流会に参加していました。しかし、僕自身はなんの権限もない平社員でしたので、名刺交換をしてくださる方に「僕の名刺なんてすぐ捨ててください」と言いながら渡していました。
あの頃は、自分が相手に渡せる価値なんかないと思ってたんです。
でも今、自分が交流会イベントを主催するようになって、感じたことがあります。それは、実績のない方や駆け出しの方たちの「なぜこの場にいるのか?なぜ一歩を踏み出したのか?」というエピソードこそ、起業家たちにとって、新たな視点の発見だったり初心に返れたりできる話であるということです。
とんでもなく価値があるんです。
自分のストーリーだけを持ってきてくれたら十分なので、自信を持って参加してほしいですね。知らない人と話すのが怖いというのも、自分でビジネスをするならどこかで乗り越える必要が出てきます。だったら、怪我をしない場所で練習しておいたほうが安心です。
参加者のみなさんには、ひとりぼっちにしないことをお約束します。ぜひイベントでお会いしましょう。

取材後記
砂川さんへの取材のなかで、よく出てきた言葉が「場を守る」でした。「自分だけが儲かればいいという考え方は苦手」のように、自分の考えや想いを参加者へ率直に伝えているそうです。
一方で、ちゃんと話を聞くことや、誰かを誰かに紹介することも大切にされていて、そうした小さな積み重ねが、安心して参加できる雰囲気をつくっているのだと感じました。
今後については、業種の違う人たちが手を組んで、楽しみながら仕事にしていけるような場をつくりたいという構想も聞かせてもらいました。有料会員制度「EXE」の始動に向けても動き出していて、交流会の先にある形が少しずつ見えてきています。
オキコネでは毎月、さまざまな形式の交流会を開催中です。まだ何も持っていないからと迷っている方こそ、気になる回から足を運んでみてはいかがでしょうか。
砂川 陽輝さんのご紹介

砂川 陽輝さん|オキコネ主宰/集客プロデューサー
宮古島出身
コンセプトや商品の設計から集客、販売の仕組みづくりまでを一気通貫で手がける集客プロデューサー
製薬会社のコールセンター勤務を経て独立
2025年にオキコネを立ち上げ、現在は毎月複数の交流会イベントを開催
執筆者:森野夏美
沖縄を拠点に活動するフリーランスのWebライター/スモールビジネスのための異業種コミュニティ「オキコネ」サポートメンバー
取材やコラム執筆を通じて、県内のスモールビジネスオーナーやフリーランスの働き方を発信。現場の熱量や、参加者同士のフラットな「つながり」を客観的な視点からお届けしている。




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